第5章 「出会ってはいけない運命」
壊れた屋根裏部屋の破片と入り混じったオブスキュラスが、急激にぴしゃりと縮んで再びクリーデンスの姿が現れた。
彼は立ったまま、小さなアーマの亡骸を見下ろしていた_____
アーマを殺害したばかりのグリムソンが、
セーヌ川の橋の下の屋根付き路地に立っているとグリンデルバルドが現れた。
「女は死んだ。」
「あの子はどうだった?」
「あいつは繊細ですな…私が仕留め損ねたと知ったら
魔法省は気に入らないだろう。私の評判を知って依頼したのだから。」
「いいか?臆病者の非難は、
勇気ある者への賞賛だと思え。
魔法族が世界を支配する時、君の名前は栄光に輝く。
その時は急速に近づいている…クリーデンスを見張って、安全に守れ。より大きな善のために」
「より大きな善のために」
グリンデルバルドはその場から去ると、
コウヒ・ローズウィルが日傘をさして立っていた。
「盗み聞きとは、君もよくやるな。」
「気配に気付かなかったでしょう?」
「嗚呼…早くこの場から去るぞ、コウヒ」
「えぇ、了解」
二人は姿くらましをしてその場から消えた_________
恋人達が一組、コーヒーを飲んでいる姿を
ジェイコブが眺めていた。
一方、ニュートはカフェを出ていく男を一人一人観察し
ガラス容器に入った羽根の反応を見ていた。
「俺、クイニーの何処が恋しいと思う?…何もかもさ。
俺をイラつかせるような事でさえ好きだ。
例えば、心を読まれるとか……
彼女みたいな人が、俺の頭の中まで興味を持ってくれるなんて俺はラッキーだ。分かるか?」
「……え、何?」
「俺はな、探してるやつが確かにここに居るのかって聞いてんだよ。」
「絶対だ、羽根がそう言ってる。」