第4章 「貴方に会いに」
「アベンジグイム 追跡せよ」
羽は羅針盤の針のようになり、行く手を示す。
「羽根を追うんだ」
「え?」
「ジェイコブ、羽根を追うんだよ!」
「あぁ、羽根ね!羽根を追うっと…」
「あいつは何処に行った?あぁ、あそこだ。
アクシオ 二フラー」
二フラーが呪文で引き戻され、
鞄に入るとニュートは鞄を手にして駆け出す。
「ジェイコブ、バケツを放せ!」
ジェイコブはその場でバケツを離すと、
すぐにバケツはその場から消えた。
「アヴィータ 分身せよ」
コウヒは、人気のない所で呪文を唱えると
自身によく似た分身を生み出した。
「いい?貴方はニュート達とパリで再開し、
彼らを地下の円形劇場に招き入れる事…
私の分身ならそれくらい容易いわよね?」
「えぇ、勿論よ。
ニュート達の前ではいつも通りの振る舞えですればいいのでしょう」
「その通り…失態なんてしたら即消すから覚悟しなさいよ。
もう1人のコウヒ・ローズウィル」
「それはお互い様よ。」と言いながら、
彼女は姿くらましをして去って行った。
きっと、私の事だからティナやニュート達には
絶対にバレないと言う確信があった________
「早く、クリーデンスを見つけて
グリンデルバルド様に差し出さなくては…」
彼女の首に付けられたラピスラズリのペンダントが
何故か怪しく光っていた__________
***
コウヒ・ローズウィルが
分身の呪文を唱えたのは、ティナと再開する
一ヶ月前の事だったので本人では無いことに
全く、気付くはずがないのです。
何故ならティナにとってコウヒ・ローズウィルは
クリーデンスが心を開いたもう一人の恩人であり
ニュート・スキャマンダーの恋人なのだから。