第4章 「貴方に会いに」
ニュートとジェイコブが曲がり角から辺りの様子を伺うと、
美しい女性の像の前にフランス警官が立っていた。
「ニュート、あのポートキーってやつ俺は嫌いだ…」
「コンファンダス 錯乱せよ」
警官が酔ったもとようにがくんとよろめき、
目を瞬いて頭を振るった。
すると、ジェイコブは警官のその様子につい笑っていた。
「さぁ、行こう。呪文は数分で切れる!」
ニュートは銅像を通ってパリの魔法界へと
ジェイコブを案内すると鞄を下に置き、杖を通りに向けた。
「アクシオ 二フラー!二フラー、来い!」
鞄がぱっと開くと、
二フラーが一匹飛び出す。
ニュートが「探せ」と合図をすると、
手がかりを嗅ぎだそうと地面に体を向け始めた。
ニュートは鞄を踏み台にして、
空中に現れた生物の形を調べた。
「これは河童だ、日本の水の妖怪…」
二フラーが微かに光る足跡を嗅ぎ回っていると、
ティナとコウヒがズーウーの前に立った場所を見つける事が出来た
「ティナ、コウヒ!
二フラー…何を見つけたんだ?」
ニュートはかがんで、地面を舐め始めると
ジェイコブはニュートを渋い顔で様子を伺った。
「…そしてこんどは地面を舐めるときたか」
ニュートは杖を耳にあてて、
恐ろしい吠え声を聞くと「レベリオ 現れよ」と唱えた。
「ニュート…コイツは一体?」
「ズーウー、中国の動物だ。
驚くほど速く驚くほど強い…一日に千里を走る。
パリなら、ある場所から別の場所までひとっ飛びで連れていってくれる。」
二フラーが別の光る足跡を嗅ぎ回ると、
2人が立っていた別の場所を見つけ体を地面に擦り付けた。
「いい子だ。ジェイコブ、二人はここに来たんだ。
コウヒはティナよりも足の幅がこんなに細いって、君気づいてた?」
「気付いたとは言えないな…」
ニュートは彼女達の前に現れた
謎の男性の幻影を見つめる
「そして誰かが彼女に近づいた。」
ニュートはカーマの帽子から落ちた羽を指さし、
臭いを嗅いで心配そうな顔をした。