第4章 「貴方に会いに」
「いいか、まず「会いたかった」と言え。
そしてコウヒには「君に会いにはるばるパリにやってきた」ってな。きっと喜ぶぞ!
そして、彼女の事を考えて夜もろくろく眠れないって言え。
ティナに火トカゲの事は何も言うな、いいか?」
「うん、オーケー」
「おいおいおい、大丈夫だって。俺がついてる!
助けてやるよ、一緒に彼女達を見つけてやる。
クイニーも見つけて、俺達はまた上手くやれる。
昔みたいに…ところであいつは誰だ?」
ジェイコブの視線の先には、
崖の端に破れたローブを着た黒づくめの怪しげな人影があった。
「旅券無しで国外に出るには、あの男しかいない。
ところで君、乗り物酔いとかしないよね?」
「俺、船は苦手だ…」
「大丈夫だよ。」
「ぐずぐずするな…あと一分で出航だ」
ジェイコブは訳が分からず、乗り物を探して辺りを見回すが
落ちている錆びたバケツしか無かった。
「50ガリオン」
「30ガリオンと言ったぞ。」
「フランスまで行くのに30、20は口止め料だ。
ニュート・スキャマンダーが違法に国外に出るのを見たってこと、誰にも言わないためにな。」
ニュートは腹を立てながら、
しぶしぶ50ガリオンをポートキー屋に渡した。
「有名人は辛いな、…十秒前」
「ほら、ジェイコブ」
ニュートはジェイコブと
手を繋ぎバケツの中に足を踏み入れた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
二人はポートキー(バケツ)に引っぱり込まれ
ジェイコブの叫び声は岬に響いていた________