第3章 「懐かしかい再開」
「婚約おめでとう、ジェイコブ」
「え、何だって?
おい、まさか……」
ジェイコブは意に反して連れてこられた事に気付き、
クイニーと向き合った。
クイニーは啜り泣きながらスーツケースに駆け寄って、
蓋を閉めてから外に飛び出した_______
「クイニー!
また会えてよかった、一体ここは何処だ?」
「あ、あ、ロンドンだ。」
「嗚呼…俺、ずっとロンドンに来たかったんだよ!!
クイニー!」
ジェイコブはクイニーの後を追うようにニュートの家を出ていった。
「クイニー、なぁハニー…聞きたいんだけど
いつ魔法を解くつもりだった?子供が五人出来てからか?」
「貴方との結婚を望んで、何処が悪いの?」
「いや、____」
「家族を持ちたいと思っちゃダメなの?
皆と同じ望みなのよ、それだけ…」
「オーケー、待てよ。何万回も話し合ったろ?
俺たちが結婚して、それがバレたら君はぶち込まれる。
ハニー…俺はそんなこと出来ない。
俺みたいなのが君みたいな人と結婚するのを、連中は嫌がる。
俺は魔法使いじゃない、俺はただの俺だ。」
クイニーがそのあたり一帯を見て
ジェイコブと向き合った。
「なぁ、俺に惚れ呪文は要らない
だって…もう君にベタ惚れなんだから。」
「そう?」
「そうさ。でも君にこんな無茶をさせる訳にはいかない…
だろ?なんで俺に他のやり方を選ぶチャンスをくれなかったんだ」
「貴方のせいで私こうするしかなかったわ。
二人のどちらかが勇気を出さなきゃ、貴方臆病なんですもの!」
「俺が臆病?そんなら君は_____」
クイニーはジェイコブの心を読んでしまい、「狂ってる?」と言うとジェイコブは直ぐに違うと反応した。
「そうは言わなかった…」
「口で言う必要なかったわ」
「いや、本気じゃなかった。」
「_____本気だった。」
「違う!」
クイニーはティナに逢いに行くといい、
ジェイコブは「分かった、行けよ」と言ってしまった。
「待てよ、クイニー行くな!!
本気じゃない。なんにも言ってない…」