第3章 「懐かしかい再開」
「バンディ、ほんとにもう帰って…疲れただろう」
「でも、ケルピーは二人がかりの方が扱いやすいし」
二人は大きな池に近づき、
ニュートはその傍に掛けてある手綱を外した。
「シャツもお脱ぎになっては?」
「心配要らないよ、直ぐに乾くから」
ニュートは笑顔を見せて、後ろ向きにダイブをすると
ケルピーが水しぶきを上げて姿を現した。
半分ゴーストのような巨大な馬の姿をしており、
ニュートを背中に乗せたまま深く潜った。
「ストレスが溜まってたみたいだな。
バンディ、軟膏は?」
バンディは軟膏を直ぐに渡し、
ニュートはケルピーの首に軟膏を塗った。
「またバンディを噛んだりしたら、お仕置きだよ。」
その時、上で衝撃音が聞こえ二人は上を見上げた。
「何でしょう?」
「さぁ…でもバンディ、君はもう帰って」
「魔法省を呼びますか?」
「いや、いいから君は帰ってくれ。」
バンディはニュートにそう言われると
そそくさとその場から立ち去った。
彼女は、ニュート・スキャマンダーに
恋をしている一人の女性である。
しかし、ニュートには素敵な彼女が居る事は
最初から知っていた。
なんせ、ホグワーツで最も有名な高嶺の花
「コウヒ・ローズウィル」であったから______
「私には、…到底叶わないわ。」
少し悲しげな顔をしながら、バンディは
すぐさま姿くらましでその場から消えた。