第3章 「懐かしかい再開」
黄色いレンガ造りのありきたりの
ビクトリア朝模様の建物が並ぶ通り_____
ニュートは足早に玄関前の石段を上がるが、
戸口で立ち止まる。
何故か居間の明かりが付いたり消えたりしているからだ。
ドアを開けると、赤ちゃん二フラーが電気スタンドの真鍮の鎖にぶら下がってゆすっている。
赤ちゃん二フラーは、まんまと鎖を盗んでからニュートに気付き慌てて駆け出した二フラーは、行く手にある何もかもを床に落として逃げる。
二匹目の赤ちゃん二フラーが天秤ばかりの一方に座り込んでいるのを見つけた。金色の重りに押さえつけられているが、間違いなく盗もうとしている。
すぐさま2匹をポケットに入れ、地下室に向かうが
逃げ出した三匹目の赤ちゃん二フラーが、カウンターに置かれたシャンパンのボトルによじ登りコルク栓を抜いてしまい衝撃によって地下室に続く会談へと落ちていった。
「バンディ、バンディ!赤ちゃん二フラーがまた逃げたよ!!」
ニュートの助手のバンディが、急いで金のネックレスを
持ちおびき寄せ三匹とも巣に押し込んだ。
「すみません、オーグリーの巣を掃除している隙に
カギを開けたに違いありませんわ。」
「気にしないで。」
ニュートはそう言うと、バンディと一緒に動物村の囲い地の間を歩いていった。
「私、殆ど全部に餌をあげました。
ピンキーには鼻用の水薬をあげたし……」
「…エルシーは?」
「糞は殆ど正常に戻りました。」
「良かった、もう帰っていいよ。」
バンディの指を見てニュートはそう言うと、
彼女はすぐさま手を後ろに組んで隠した。
「ケルピーは僕に任せておけって言ったのに」
「あの傷にはもっと軟膏を塗らないと…」
「その為に君の指が無くなったら困る。」
彼は大きな池に向かってどんどん歩くと、
バンディもあとから小走りで着いて行った_____