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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック





そんな……


そんな……


じゃあこの切り裂きジャックの真の犯人はいったい誰なの??本当に悪いのは…誰?



「(はっ…はっ…あっ……!)」


マリアンヌは過呼吸になりかけながらひたすらに考えた。





娼婦を殺したマダム?


マダムの殺人に加担した死神グレル?


それとも簡単に堕胎の選択をした娼婦?


はたまた堕胎の原因を作った客の男か?




分からない、分からない、分からない!!!



「(もう!!いやぁぁぁぁぁぁ!!!)」









声無き叫び声を上げると、マリアンヌの頭の中では、大事なネジが弛んでコトンと落ちるような音が響いた。












ワタシハ………






キライ…




キライキライ……




キライヨ…




ダイッキライヨ……







ヒトナンテ、ダイッキライヨ!!!




ワタシヲステタアイツラモ!




カネデカッタアイツモ!





タカネヲツケテウリサバイタアイツモ!





オモチャニシタアイツモ……






アイツもアイツもアイツもアイツもアイツもアイツもみんなキライ!!!



──ズキン!!──



「(あぁぁぁぁ!!!!)」




ズキンズキンと背中の傷跡が強烈に痛みだす。

その痛みと連動する様にマリアンヌを襲う忌まわしい過去のフラッシュバック。
この身体を傷つけられた日々の記憶はマリアンヌの心身を幾度となく攻撃をした。




「ヒッヒッ、大丈夫かい?」



激しく取り乱すマリアンヌに特に慌てることもなく、アンダーテイカーは口角を上げながらマリアンヌの背中を支えて声をかけた。



「(もう……帰ります!!お店に帰ります!帰りたい!!)」



ブンブンとかぶりを振りながらなんとか正気を取り戻そうとするが、再び暴れだした過去の記憶はそう簡単に収まってくれそうにない。



「帰ってもいいけど、切り裂きジャック事件はもういいのかい?」



アンダーテイカーはわざとマリアンヌを追い込むような台詞を耳元で囁いた。





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