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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック




「伯爵の過去は前に話したことあっただろう?きっと契約したのはその時だ。今は伯爵との契約に縛られてるから殆ど害はないだろうけど……悪魔は昔から死神が刈り取る予定だった人の魂を、横からかっさらうだけの害獣でしかないからね。」


アンダーテイカーはチラリとセバスチャンの方を見やりながら忌々しく「害獣風情が…」と付け足した。


「(契約?ですか?悪魔に執事をやらせる事がですか?)」


「2人の契約の内容までは小生には分からないさ…まぁ興味はあるケドね。でもこれで小生が1人で伯爵の所に行ってはいけない理由が分かっただろう?」


「(……………は、はい。)」


まだ頭の中は混乱状態だったが、長屋の方に目を向ければ、チェーンソー持った死神相手にセバスチャンは素手も同然で互角に戦っている。
やはりセバスチャンは人間ではないようだ。





でもどうして…どうしてこんな事が……?
マリアンヌは必死に考えを巡らせる…

殺された娼婦は皆ロンドンの王立病院で堕胎手術を受けていた…

シエルの話を聞く限り主犯はマダム、そして、マダムに惚れ込んだと言っていたグレルも共犯だろう。
何故…殺す必要が…


「(アンダーテイカーさん…現役の死神ってあんなに簡単に人を殺してしまうんですか?)」


グレルはアンダーテイカーから聞いていた死神の姿とは随分逸脱している。
疑問に思うのも無理はない。


「まさか…死神派遣協会ってのは、まぁ巨大な組織だからね。管理課、総務課、回収課、科捜課って色々分かれてるんだけど、それぞれクセの強い輩が多いんだよ、でもそこにいるマダムの執事君は完全にアウトだ。」


「(え?)」


「赤が好きだの返り血が好きだのはさて置き、あの様子じゃあ、マダムの執事君は、おそらくリストに載ってない娼婦まで殺してるね〜もしそれが事実だとしたら重大な規定違反だ…」



「そんな…規定違反までしてどうして殺す必要が…」





マリアンヌの頭は混乱していて爆発寸前だった。




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