第3章 「DNH企画」死神とハニーソルト
「(……………。)」
手元をみるとやや興奮の収まったと思われるモノと明らかに石鹸の泡ではない粘度のある白い液体。
自分の手で男のモノを射精させるなど、初めての事であったマリアンヌは、驚きを隠せず再びアンダーテイカーを見上げるが、その瞬間、証拠隠滅とばかりに勢いよくシャワーがでてきて、2人の身体に付いた泡は手についた精液もろとも流れていってしまった。
「(ヒャア!!な、何?)」
間髪入れずにマリアンヌの身体が次に感じたのは浮遊感だ。一瞬のぼせたのかと思ったが、実際はアンダーテイカーがマリアンヌを横抱きにして、浴槽まで運ばうとしている。
アンダーテイカーは、何か文句を言われる前にニナの入浴剤のはいった風呂でご機嫌にさせようという魂胆だった。
マリアンヌを湯の張った浴槽にそっと入れると、隅に置いておいた包を渡してやる。
「ほらマリアンヌ。ニナからもらったハニーソルトだよ。入れてごらん。」
「(は、はい…)」
ドキドキしながら包をあけると、中からは薄いピンクがかった天然石のような岩塩が入っていた。
それをポトポトと浴槽に入れるとサーッと溶けていき、指をすり抜ける湯は若干とろみを帯びてるように感じる。
このとろみは蜂蜜の効果だろうか。
「(見て!見て!アンダーテイカーさん!お湯が少しいつもと違います!)」
思わず口で喋ってしまった。
もちろんマリアンヌが口で喋っても浴室は無音のまま。
「そうだね、これはきっと蜂蜜の効果だね〜マリアンヌのお肌がもっとスベスベになっちゃうね、小生嬉しいな〜♪」
だが、アンダーテイカーはマリアンヌの唇の動きを読んだのだろう。
きちんと返事を返してくれる。
とっさに出てきた言葉なのにアンダーテイカーは見逃すことなく自分の唇を読んで答えてくれた。
「(…………。)」
こんな紳士的なことをされてしまうと、先程された破廉恥な行為などすっかり忘れて愛しい気持ちが溢れてしまうから自分はつくづく単純だなと思い知る。
今2人は大きい浴槽の両端で向かい合ってるが、マリアンヌはおずおずとアンダーテイカーに近づくと、右側に座り直し右手を取った。