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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第3章 「DNH企画」死神とハニーソルト



時刻もだいぶいい時間になると、マリアンヌ達は帰り支度を始め、馬車に乗ろうとしていたが、その時だった。

「(??)」

マリアンヌはニナから肩を叩かれると、アンダーテイカーに見つからないよう、ある包を手渡されると、耳元で囁かれた。


「(マリアンヌ、これはね、今ロンドンのレディ達の間で流行ってるハニーソルトっていう入浴剤なの。ミネラルたっぷりの岩塩に保湿効果たっぷりのはちみつがコーティングされてるからお肌がスベスベになること間違いなしよ♡是非使ってね!)」


「(あ、ありがとうございます!!)」


化粧はおろか、髪の毛1つ自分で結い上げる事のできない不器用なマリアンヌが、街娘達の流行り物など知っているわけない。
ニナの心遣いが嬉しくマリアンヌは満面の笑みで礼をつげる。


マリアンヌの手のひらを両手で包むと、ニナはウインクをしてみせ馬車の中まで見送った。








「久しぶりのニナの店は楽しかったかい?」


「(はい!!新しいお洋服まで、ありがとうございました。出来上がるのが楽しみです。)」


マリアンヌの喜んだ顔が見れれば十分に満足……と言いたいところだったが、アンダーテイカーは朝方から燻らせていた熱を放置したままだった。
マリアンヌには悪いが、今夜もなかなか離してやれる自信はなさそうだと微かに口角を上げるが、当の本人はまったく気づく様子はなかった。




─────────────────



店に着くと、マリアンヌはエプロンを着けてさっそく夕食の支度にとりかかった。


「(今日は、野菜とベーコンのスープにしますね!すぐに出来ますので待ってて下さい。)」


マリアンヌは朝残してしまった骨型クッキーを小皿にのせると、夕飯までのつなぎにとアンダーテイカーに出してやった。




そして、少し早目の夕食が済んで食器を洗っている時だった。

「ねぇ、マリアンヌ。」

背後からいきなりアンダーテイカーから両肩を掴まれる。

「(!?)」

今彼はダイニングテーブルで食後の紅茶を飲んでいたはずだ。いったいどうしたのだ。
マリアンヌの両手は洗剤がついているため動くことができない。



「ねぇねぇ、帰るとき、ニナから何を貰ったの〜?」


「(!!)」


思わずマリアンヌの身体が強張った。



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