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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第3章 「DNH企画」死神とハニーソルト



「ほら、できたよ〜お気に召しましたかな?お姫様。」

櫛をヒラヒラとさせながら鏡を見るように促した。

「(!!)」

鏡越しから見えるマリアンヌの顔を見れば、返事など聞かずとも十分に喜んでいるのが伝わってきた。

しかし、マリアンヌの要望はまだ1つ残っている。

今日のマリアンヌは化粧もしたかったのだ。グイグイとアンダーテイカーの手を取ると焦れるように催促をして見せた。

「(アンダーテイカーさん!お化粧もしてください!)」


「え〜?別にマリアンヌ、お化粧なんてしなくても十分可愛いいのにな〜?」



目鼻立ちのはっきりしているマリアンヌの容姿はお世辞抜きで美しい。
その美しさ故に化粧をする気など起こらないほどにだ。アンダーテイカーは正直のところ、そんなに乗り気ではなかった。



「(もう!お願いです!アンダーテイカーさん、いつも死体にはあんなに楽しそうにお化粧するじゃないですか!私だけ無しなんてズルいです!)」

頬を膨らませぷりぷりと不満たっぷりにアンダーテイカーを見つめながら訴える。



「………!?」



一瞬マリアンヌの言葉に黄緑色の瞳を見開き動きを止めてしまったが、その言葉をよくよく反芻すると、沸々と笑いが込み上げてきてしまいアンダーテイカーは思わす噴き出してしまった。



「ブァハッ!!アッハハハハハ!ギャハハハハ……ヒッ!ヒッ〜〜〜!!」

アンダーテイカーは腹を抱えて笑い出し、終いにはドレッサーに突っ込むように転げ回りだした。


「(??)」


マリアンヌには何故アンダーテイカーが笑いだしたのかがわからない。



「アハ…ヒヒヒ……ヒー…マリアンヌ、よしておくれよ〜、小生を笑い殺すつもりなのかい?」


「(冗談はやめてください!私に死神が殺せる訳などないじゃないですか……)」


「い〜や、今の不意打ちは小生思わず逝ってしまうところだったよ。ヒッヒッヒッ。マリアンヌが死体にヤキモチを妬くなんて、面白いことを言ってくれるじゃないか。」


ドレッサーに身体半分乗せたままチラリとマリアンヌを見ると、仕方ないなと言いたげにアンダーテイカーは立ち上がりマリアンヌの顎を指で撫でながら上を向かせた。




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