第2章 死神とゲーム♪
…乗れと言われても、いったいどうすればいいのだ。
「ほら、こっちだよ…」
マリアンヌが首をかしげていると、アンダーテイカーは抱き上げ向かい合わせにし、自身に跨るように座らせた。
「(えぇ?!)」
この恥ずかしい体勢はなんなのだ。
抵抗したいが、落ちてしまいそうになってしまうため肩のあたりにしがみつく事しかできない。
しかもアンダーテイカーはご丁寧にもマリアンヌが落ちないように、しっかりと腰回りをホールドしている。密着度が半端なくて、なんだかドキドキと胸がうるさくなってくる。
いったい何が始まるのだ。
罰ゲームは次のバージョンに入ったのか?
マリアンヌはさらに至近距離になったアンダーテイカーの顔を見つめながらその口が開くのを待った。
「小生、またマリアンヌとキスしたくなっちゃった。さっきみたいにしてよ。」
「(!?)」
「今度はマリアンヌが離したい時に離していいからさ。」
先程のおどけた様子ではなく、なんだか少し真面目にお願いされている気がする。
そんな真剣に言われてしまうとこちらも調子を崩してしまう。
前髪で隠れていて目元は見えないが、至近距離で見つめ合っているうちに、不思議とマリアンヌ自身もアンダーテイカーに触れたくなってきてしまった。
なんだかんだ言っても自分はアンダーテイカーが好きなのだ。そんな事実を改めて思い知らされる。
肩に手を置いたままマリアンヌはそっとアンダーテイカーの唇に自身の唇を重ねた。
振動で唇が離れてしまわないようにギュッとしがみつく手に力を入れる。
すると、アンダーテイカーは待ちわびていたかの様に舌を侵入させてきた。
「(……ん!)」
一瞬驚いたが、口内の弱い所を執拗に攻められてしまえば、マリアンヌの抵抗する意欲などどこかにふき飛んでしまう。
気づくとマリアンヌはアンダーテイカーに応える様に必死に舌を絡ませていた。
馬車内には2人の唾液が混ざり合う音が厭らしくも鳴り響く。
──離したい時に離していい──
マリアンヌはもうそんな事はどうでもよくなっていた。
この唇から全身に流れ込む快感を手放したくない。
まさかこんな所でアンダーテイカーに欲情するなどマリアンヌは初めてだったが、もう止めることはできなかった。