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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第2章 死神とゲーム♪



一方アンダーテイカーは、笑いを噴き出してしまうのをおさえるように、うつむきながらピクピクと震えていた。死神の力など使わずともコインの入ってる方なんて一目瞭然なのだ。

慣れない手付きでコインをはじき、必死にコインを握ってドキドキとこちらを見つめる。


よっぽど、叶えたいことがあるのだろう。


時折自身の拳に目をやりながらアンダーテイカーが答えるのを待っている姿は、可愛すぎて可愛すぎて、理性のタガは崩壊寸前だった。

ちょっと、かわいそうだがここで負けてあげるのは面白くない。
アンダーテイカーはスッと指を出すと

「どっちかな〜?」

とわざと迷うように指を行き来させる。

マリアンヌは平静を装ってるつもりだろうが、心拍数があがり、ハズレの方を引いてくれとばかりに目が訴えている。実にわかりやすい。

「コインはコッチかな。」

しかし、アンダーテイカーが当たりを引くと、マリアンヌの顔はみるみると絶望の表情と化しガックシと肩を落とした。

「小生の勝ちだねぇ〜、まずは何をしてもらおうかなぁ?」
ニタリと笑いながらマリアンヌを見据えている。

「(……………。)」

いったいどんな無理難題をつきつけられるのか…

マリアンヌも不安げにアンダーテイカーを見つめた。







「決〜めた、マリアンヌから小生にキスをしておくれ。」

「(!!!)」

やっぱりそういう方向できたか…!
なんとなく悪い予感はしていたが、まさか本当にそうくるとは……

ここはイヤだとゴネても力ずくで丸め込まれてしまうのがオチだ。必死に頭を使わなくては。
マリアンヌは考えに考え、ある妙案が閃くと、潔く返事をする。

「(わ、わかりました!)」

「お、いいね〜マリアンヌやる気だしたね〜」

ウキウキとテンションを上げるアンダーテイカーにマリアンヌは自ら唇を近づけていった。





──チュッ──





「!?」

マリアンヌはアンダーテイカーの頬にキスをしたようだ。

アンダーテイカーは何か言いたげだが、マリアンヌはツーンと窓の方を向いてしまっている。

「(アンダーテイカーさん、キスの場所まで指定しませんでしたよ!)」

珍しく強気にでたマリアンヌに今度はアンダーテイカーが闘志を燃やし始める。

「ほう…面白いじゃないか…」

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