第2章 死神とゲーム♪
ゲームに熱中しだしたマリアンヌに何やらアンダーテイカーはしたり顔に口角を上げている。
どうやら何か企んでるようだ。
「ねぇマリアンヌ、せっかく楽しんでくれてるみたいだからルールを1つ増やさないかい?」
「(え?どういう事ですか?)」
何だか嫌な予感がしたマリアンヌは狭い馬車の中で少し身構えてしまう。
「次からは負けた方が、勝った方の言うことを1つ聞くことにしよう♪」
「(えー?い、イヤです!絶対イヤです!)」
そんなルール、今の流れからすれば絶対にアンダーテイカーに有利なルールだ。
「(私、負けてばっかりなのに…そんなずるいです…)」
「そうかぁ。じゃあこうしないかい?」
どうしてもルールを増やしたいアンダーテイカーは、人差し指でマリアンヌの頬をつつきながらある提案をした。
「コインを投げる役は小生とマリアンヌ、交互にやろうよ。」
交互か…それなら自分が投げる番でアンダーテイカーがハズせば、何も問題はないわけだ…
「(……で、ですが……)」
「え〜〜、マリアンヌやろうよ〜、マリアンヌが勝てば小生なんでもお願い聞いてあげるよ〜」
アンダーテイカーは駄々をこねた子供の様に身体を揺らしながらマリアンヌに詰めよっている。
…そうは言われても、もともと欲の少ないマリアンヌにはアンダーテイカーにねだりたいものや、やってもらいたい事など特にはなかった。
あまり魅力的な条件ではないから断ろうとした時、マリアンヌは偶然にもあることを思いつく。
「(アンダーテイカーさん!お願いは本当になんでもいいんですか?!)」
「もちろんさ。」
「(わ、わかりました!やりましょう!)」
やっと食いついてきたマリアンヌに悪い笑みをこぼしたアンダーテイカーだったが、やる気に火のついたマリアンヌは残念な事に気づいていなかった。
「それじゃあゲームスタートだ、先攻はマリアンヌでいいよ。」
アンダーテイカーの余裕っぷりに若干苛立ちを覚えたが、ここでハズレを引かせれば、マリアンヌの勝ちなのだ。深呼吸をしてコインを弾く。
──パチン──
アンダーテイカーの様な鮮やかな動きではないが、そこそこ手早くできたはずだ。
マリアンヌはドキドキしながらアンダーテイカーを見つめた。