第9章 フタリノキモチ
「(あ、あ、あの……えぇ?!)」
昨日想いを繋げたばかりの相手に、起き抜けに口移しで水を飲まされた。
戸惑うには十分すぎる出来事だ。
「1回だけじゃ足りないだろう…」
しかし、アンダーテイカーはそんなのお構いなしに、もう1度口に水を含むとマリアンヌに深い口付けをして、その水を流し込んだ。
「(う……んん……うぅん……)」
水を飲み込めば今度はアンダーテイカーの舌が侵入してきて、マリアンヌの口内を余すことなく堪能していく。その舌先が自身の口内に触れればゾクゾクと身体が震えてしまい自然と甘い吐息が漏れてしまう。
「(はぁ……あぁ…アンダーテイカーさん……)」
深い口付けで軽く息を上げてしまったマリアンヌだったが、聞きたい事があったのを思い出すと、アンダーテイカーの手をとった。
「(あ、あの…そこにあったドレッサーはどこにいってしまったんですか?)」
マリアンヌは自分で化粧をしたり髪を結ったりするのは得意ではなく、いつもアンダーテイカー任せだった。そのため不要だと思われ処分されてしまったのだろうか?少し不安げにアンダーテイカーを見つめたが、返ってきた返事はマリアンヌの予想をはるかにこえるものだった。
「あぁ…ドレッサーなら小生の寝室に持って行ったんだよ。」
「(え…?!)」
さも当り前かのような言い方をされてしまうが、マリアンヌにはまったく話が見えてこない。頭は疑問符だらけだ。
「引っ越しだよ〜マリアンヌ。この部屋はもう使わない。マリアンヌはこれからは小生の部屋で一緒に寝るし、着替えも小生の部屋でするんだよ。」
「(えっ?!え〜?!なんでですか?突然どうしたんですか?)」
「え?だって、小生もうマリアンヌを離さないって言ったじゃないか〜これからは朝から晩まで、眠ってる間もず〜っと小生と一緒だよ〜イ〜ヒッヒッ!!」
アンダーテイカーは満足そうに笑いマリアンヌの頭を数回撫でると起き上がり、着ていたローブを脱いで裸のマリアンヌにかけた。