第9章 フタリノキモチ
「(あ、あの…アンダーテイカーさん…)」
言いたい事を直接相手の身体に書くなど、なかなかドキドキしてしまう。
「なんだい?」
アンダーテイカーは恥ずかしがるマリアンヌを優しく見守りながら待った。
紙とペンを使う筆談も悪くはないが、いつも持ち歩くのは面倒だし、近くになければ不便でもある。
それにせっかく想いが通じ合ったのだ。
晴れてマリアンヌを恋人にする事ができたのだからアンダーテイカーは自分達だけの“特別”なやり方でコミュニケーションがとりたかった。
手の上に書くやり方なら紙もペンも必要ない。
それにこの方法なら話をする度にマリアンヌは自分の所にやってきて、この手を取ってくれる。アンダーテイカーには誠に都合の良いやり方であった。
すると、マリアンヌは恥ずかしがりながらもアンダーテイカーの手に文字を綴る。
「(ア、アンダーテイカーさんは…本当に私の事…好き…なんですか?私…嬉しすぎて…まだ、信じられなくて…)」
「不安なのかい?マリアンヌは何も心配する事ないよ。小生が好きなのはマリアンヌだけだし、愛してるのもマリアンヌだけだ。」
アンダーテイカーは身体を起こすとマリアンヌの上に乗り、ヘーゼルの瞳を見つめながら頭を撫でる。
「小生はマリアンヌが望むのであれば満足するまで愛してると伝えるよ……だから何も心配はしなくていい。」
そして深い口付けで唇を奪うと、段々とマリアンヌの意識は遠のいていく。
「熱があるのに無理をさせてごめんよ…ゆっくりお休み。」
瞼が重くなってきたマリアンヌの頭を何度か撫でると、スッとマリアンヌは意識を手放して眠りの世界へと旅立ってしまった。
「お休みマリアンヌ…いい夢を…」
額にキスを落とすと、アンダーテイカーも一緒に眠りについた。
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──翌朝──
マリアンヌは何やらガタガタとする物音で目が覚めた。目を開けるとカーテンの隙間からは朝日が入り込んでいる。
朝だと分かり身体を起こすと、昨日までの怠さや苦しさがスッカリなくなっていた。
どうやら熱は下がっだようだ。