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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第9章 フタリノキモチ




「マリアンヌ…それは、いったいどういう意味だい?本当に小生のしたいことが分かって言っているのかい…?」



「(…わ、分かっている…つもりです。だって、私は…)」



ずっと胸にしまっていたこのキモチ…

今なら伝えられるだろうか…



マリアンヌはペンをグッと握り直すと続きを書き綴った。



「(…アンダーテイカーさんの事が好きだから……だから、我慢なんて…しないで下さい…)」



アンダーテイカーは自分の気持ちに対してどう思うだろうか。熱で上がっていた心拍数がより一層ドキドキと煩く跳ねる。

マリアンヌはアンダーテイカーの返事をただ黙って待った。





「…なんてことだ………」




少しの間沈黙したのち、アンダーテイカーが発した言葉はなんとも短くマリアンヌは少し呆気にとられてしまった。

しかし、マリアンヌの両頬を大きな手で包み込むと、真剣な眼差しでアンダーテイカーは続けた。




「それは…本当かい?…マリアンヌを…君を小生の宝物にしてもいいって言うのかい?」




「(宝物だなんて…そんな…)」




「小生はマリアンヌと出会った時からもう心を奪われていた。ずっとずっと、小生はマリアンヌの事が好きだったんだ。」



「(ほ、本当に…?アンダーテイカーさん…)」



繋がる気持ちに胸を熱くし、言いようのない愛しさが込み上げる。



「…もう一度聞くよ?マリアンヌ…君は小生の宝物になってくれるのかい?」



宝物…

自分をそんな美しい言葉に例えてくれるなんて…



マリアンヌは喜びでうち震えると、書くのをやめてそっと静かに頷いて見せた。



それで十分に伝わるだろう。



「小生は…もう大切なモノを失いたくないんだ。だから、君がイエスと言うのであれば、小生はマリアンヌをずっと側に置いて、片時も離さないよ?本当に、それでもいいのかい?」



そんな質問など愚問だ。

マリアンヌは一生懸命に笑顔を作り何度も頷いた。




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