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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第9章 フタリノキモチ





「マリアンヌ…?どうしたんだい?」


驚いた表情を見せるアンダーテイカーだが、マリアンヌは目元を少し潤ませて首を振っているだけだ。


「小生、薬を取りに行くだけだよ??」


それでもマリアンヌは駄々をこねる子供のように首を振っている。


マリアンヌは心細くて、ほんのわずかな時間でもアンダーテイカーに出ていって欲しくなかった。

その弱々しい力で必死に服を掴む。



それと同時に熱にうかされてアンダーテイカーへの想いも熱を上げたのだろう。


“ここにいて欲しい”と必死に視線で訴えた。


「…マリアンヌ……」



黄緑色の燐光が戸惑い揺れる。



熱を出しているからなのは重々承知であるのに、こんなに瞳を潤ませて見つめられてしまうと、よからぬ欲望が疼きだしてしまう。


しかたなくマリアンヌの方に向き直すとベッドに腰かける。


「マリアンヌ?いったいどうしたんだい……」



しかし、マリアンヌは質問には答えずにフラフラと布団から這い出ると、アンダーテイカーにもたれるように抱きついた。



「……マリアンヌ…?」



か弱い腕で力いっぱいアンダーテイカーの背中にしがみつき胸元に顔を埋めるマリアンヌ。

アンダーテイカーにはマリアンヌの訴えてることが分からず戸惑うばかりだ。



「(いかないで…いかないで…アンダーテイカーさん…)」


熱で息を上げながら必死に心の中で訴える。



側にいて欲しい…

抱きしめて欲しい…

もっと深く触れて欲しい…



マリアンヌはアンダーテイカーに対して素直な欲望が溢れれば溢れる程、自分の身体に変化が起こるのに気づく。


「(……………なにこれ……)」


アンダーテイカーを求める気持ちが全身を巡り、下半身にじっとしていられないようなむず痒さを感じた。

それと同時に下着が汗ではない何かで濡れている。それは男と繋がる部分から溢れてきてるように感じるがいきなりどうしたのだろうか。

マリアンヌにはこれらの感覚が何なのかまったく分からなかった。


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