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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第1章 甘くて激しいバレンタイン♪


「前にマリアンヌ、黒以外の服が欲しいって言ってたでしょ〜?だからバレンタインに合わせてニナに作って貰ったんだよ〜。まぁニナには急な注文だって怒鳴られちゃったけどね〜」

そう、以前にマリアンヌは黒以外の服が欲しいとアンダーテイカーに言ったことがあった。
しかし、その時は葬儀屋の服は黒と決まっていると言われてしまい、渋々諦めたのだ。
そんな願い事を叶えてくれるなど、思っても見なかったマリアンヌは嬉しくて胸がいっぱいになった。

「(アンダーテイカーさん!嬉しいです!)」


マリアンヌはアンダーテイカーに飛びついて抱きつくと、今度は嬉し泣きで涙を流した。

「喜んでくれたみたいだね〜それじゃあ今度はマリアンヌの作ったものも見せておくれ〜?」

アンダーテイカーの贈り物と比べると、自分の用意したガトーショコラなど、安っぽく感じてしまい、出すのを一瞬ためらったが、もう作ったと言ってしまったのだ。

マリアンヌはおずおずと冷蔵庫から取り出し、ガトーショコラの乗ったトレイを差し出した。




──あなたは私の全てです──




「嬉しいこと言ってくれるじゃないか…」

ショコラの上に書いてある文字を見てアンダーテイカーは小さく呟く。


こんな死神離脱組に、こんな大層な言葉をくれるとは…
マリアンヌは本当に何も分かっていない。

純粋で、無垢で、無欲で。

そんな人間らしくないマリアンヌは小生を楽しませてくれるだけではなく、心から愛してくれている。

マリアンヌがくれる幸福感はまさに「極上の笑い」以上に金に変えることはできないものだっだ。

「ありがとうマリアンヌ、愛してるよ〜」

そんなマリアンヌを自分も存分に愛してやりたい。

心から自身に誓うとアンダーテイカーはマリアンヌに深いキスをした。

しかし、唇を離すとマリアンヌは、はっと何かに気づいた様な表情をしている。
いったいどうしたのだろうか。

「(あの、すみません……夕飯の買い物と支度、忘れてました…)」

なんだ、そんな事か。

「そんなのはいいさ、今夜のディナーはマリアンヌの手作りのガトーショコラを食べよう〜。」



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