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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第8章 死神との生活




そう考えれば考える程、あの亭主の行いに、許しがたい怒りがこみ上げてくる。


しかし、なんの運命のめぐり合わせか、今は優しい死神によって人間らしい生活を送ることができている。




この初潮をむかえるということが、正常な成長だというのなら、ここでの快適な暮らしを提供してくれているアンダーテイカーに礼を言わなくてはならないだろう。


もう二度と会うことの無い亭主に怒り狂うより、目の前の死神に感謝をする方がずっと大切な事だ。



「(あ、あの……アンダーテイカーさん…ありがとうございます……)」


「ん?どうしてマリアンヌが小生に礼なんか言うんだい?」


「(これは、正常な成長の証なんですよね?そしたら私が成長できる様な生活をさせてくれたアンダーテイカーさんにはきちんとお礼を言わないと……)」


そこまで言うと、マリアンヌは少し赤くなり俯いてしまった。

礼を言うだけなのに何故だか胸がドキドキしてしまうが、その理由が分からずアンダーテイカーの顔が直視できない。




アンダーテイカーはそんなマリアンヌが可愛くて可愛くて、この腕で力いっぱい抱きしめてしまいたくなったが、まだ駄目だと己の心に言い聞かせると、グッと拳を握ってなんとかその衝動を発散させた。



「小生は君と一緒に暮らしたかっただけだよ。そんなお礼を言われる様な事はしてないさ……でもマリアンヌのその気持ち、嬉しいよ〜ありがとう。」



そう言ってアンダーテイカーが頭を撫でてやればマリアンヌは照れくさそうにはにかみながら顔を上げた。



「そうだマリアンヌ、身体の具合は悪くないかい?」




「(え?身体の具合ですか?)」



「生理の最中は色々と体調が優れなくなる事が多い。今のマリアンヌはどうかな?」



「(あ……そう言われてみると、少し怠くて、お腹が痛いです……)」



「そうかい、それじゃあ薬を用意してあげよう。その間にマリアンヌはシャワーを浴びておいで。そのままじゃあ、気持ち悪いだろう?」



アンダーテイカーはクローゼットからバスタオルを出して渡してやると、ベッドのシーツをはがしてくるくると丸めた。




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