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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第8章 死神との生活




「マリアンヌ、もしかして…こんな事が起こるのって初めてなのかい?」


マリアンヌはYESと書き綴るとコクコクと頷いてみせた。


「そういえば、マリアンヌって、歳はいくつだったっけ〜?」


「(……15歳です………)」



「15歳、か………」


一般的に初潮は12歳頃に始まる事が多い。

そうなるとマリアンヌは結構遅くに始まったことになる。




まぁ……無理もないだろう。





食事もろくに与えてもらえず、男と強制的に交わる仕事をさせられてきたのだ。
栄養失調と大きなストレスの日々で、身体が正常なサイクルで生理を起こすことができなかったのだろう。


アンダーテイカーの店にきて、きちんとした食事にストレスのない生活を送ることによって、マリアンヌは初めて身体が正常な成長をとげる事ができたのだ。


そう考えると、アンダーテイカーは自然と嬉しくなり口角が上がった。



「マリアンヌ、これは病気でも何でもない。ちょっと待っていておくれ。」


アンダーテイカーはマリアンヌの頭を数回撫でると、一度部屋を出ていった。







数分後、マリアンヌの部屋に戻ってきたアンダーテイカーは片手に本を持っていた。

アンダーテイカーもマリアンヌの隣に座ると、本を広げ、文字を指でおいながら読んでやった。


内容は男女の第二次成長期の身体のしくみについてだ。

マリアンヌはまったく分かっていなかった様で、アンダーテイカーの話す内容を真剣に聞いていた。


「小生は娼館のしくみはよく分からないけど、普通は女の子の中に射精を許すような事はしないと思うよ。まぁ外に出しても100%妊娠を防げるわけではないけどね。もしかすると、マリアンヌのいた娼館は、わざと発育を遅らせることで、初潮も遅らせていたのかもしれないね。そうすれば、高い金で女の子を売る事ができるからね……」


「(…………)」


おそらく、アンダーテイカーの言っていることはあながち間違いではないだろうとマリアンヌは思った。

毎夜やってくる客の数を考えると、娼館の経営は十分に儲かっていたと思われる。だが出される食事はあまりにも粗末な物ばかりだった。

きっと避妊行為をしなくても良いという売り文句で人気を上げていたのかもしれない。



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