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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第7章 死神との出会い






「(ア、アンダーテイカーさん。私は、もう…人を信じる事ができません。人なんか……もう大嫌いです……ですが、貴方が人ではない死神だというのなら……信じてみようと思います。アンダーテイカーさんは、私を傷つけたりしませんか?裏切ったり……しませんか?)」




「あぁ…もちろん…小生はそんな酷いコト、絶対にしないよ。」


再び弧を描いた口元は少女にとても優しい印象を与えた。


「(では…使い古しの娼婦ですが…できる下働きはやりますので…宜しくお願いします。)」



「そうかい〜。」


アンダーテイカーは嬉しそうに笑みを浮かべると少女の隣に座り直し、とある質問をした。



「ところで君の名前を聞いてなかった。シネマティックレコードで君の過去を覗いたんだけど、肝心の名前を聞き取るの忘れてしまってね。」



「(私の名前は……生まれはサラ・トレースといいます…娼館ではジゼルと呼ばれていました。……どちらで呼んで頂いても構いません。)」




サラ……か。


娼館に売りとばすことが決まっていながら大層な名前をつけたもんだ。

日本人が聞いていたら呆れて笑われていただろう。




アンダーテイカーの口元は不敵に緩んだ。




「そうか……でもどちらで呼ばれるのもいい気分ではないだろう。そしたら小生が新しい名前を付けてあげよう。」



「(え??)」



「そうだね〜、どうしようかね〜……そうだ…マリアンヌ、というのはどうだい〜?」



「(マリアンヌ…ですか?)」



「そう〜マリアンヌ。君のそのダークブロンドとヘーゼルの瞳にピッタリだ。素敵だと思わないか〜い?」



アンダーテイカーはマリアンヌの髪を撫でながらチラリと顔を覗き込んだ。



自分の髪色


自分の瞳の色


素敵な名前



そんな風に想って名前をつけてもらえるなんて……

少女はすぐにその名を気に入った。



「(……か、構いません。これからはそうお呼び下さい。)」


少女自身も素敵な名だと思ったのだが、うまくその感情を表現できず、真顔で答えることしかできなかった。




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