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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第7章 死神との出会い








「(きゃああああああああ!!!)」



「いいねぇ……その顔……最高だよ!!料金は払ったんだ、もう1回してもいいよね……?!」



「(いやよ……やめてよ…!こんなコト……もうやめてぇ!!)」








声無き悲鳴が部屋に響き渡る。


亭主が始めた新たな商売。





それは、金持ちの狂った性癖の男達に声をかけ、少女を痛めつけることだった。




はじめは鞭打ち。

回数ごとに法外な料金が決められており、客は支払った回数分、少女を鞭で打つことができる、という内容だ。


法外な料金にもかかわらず、声の出せない障害を持つ少女を痛めつける事に、サディスティックな快感を感じる変態な客は後を絶たなかった。



そのうちに内容はどんどんエスカレートし、メニューも焼きゴテや、ナイフ、錆びた刃物など増えていき、少女は何度も生死の境を彷徨った。


気付けば少女の背中は目も当てられない程の傷跡で埋め尽くされていた。

残酷にも傷つけられた跡は治っても時々引きつるように痛む。少女に、安らかに眠れる日などなかった。










だが、あれだけ少女を買う客が後を立たなかったにも関わらず、数年もたつとまた新しい別の上玉候補が水揚げの競りにかけられる。


この娼館では並の美人では2,3年、上玉で4,5年で人気のピークが落ち着いてしまう。


人気の落ちた娼婦は穀潰しという扱いになり、奴隷の人身売買業者に連れて行かれるか、何日か食事を抜かれた後、森に捨てられるという残酷な結末がお決まりだった。



例に漏れず、少女も水揚げから4年がたつと人気のピークは落ち、今まで少女を買っていた太客達も手のひらを返すように新しい娼婦へ手を出し始めた。




そしてあまり客の手がつかなくなってきた冬のある日、少女は何も告げられずに食事を抜かれると目元を隠され、踏み入れたこともない森の中に放り出されてしまったのだ。



──ドサッ──



「(きゃああ!!)」


馬車から蹴飛ばされると、少女は地面に転がり落ちてしまう。


「今までご苦労だったな。運が良けりゃ変態ジジイにでも拾ってもらえるさ。じゃあな。」 


そう言い放ち、亭主は来た道を戻る様に馬車を走らせると、その姿はみるみると小さくなっていった。




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