第6章 死神とスパイス
「(??アンダーテイカーさん?)」
首を傾げているマリアンヌをよそにキョロキョロと辺りを見回すと、アンダーテイカーは再びマリアンヌの手を取り歩き出した。
「マリアンヌ、ここに座ってごらん?」
「(……え?)」
アンダーテイカーが連れてきたのは人気のない裏路地で、乱雑に積まれていた木箱を2つ降ろして重ねると、そこに座るように促した。
よく分からないがマリアンヌは言われた通りに腰かける。いったい何をするのだろうか…
すると、アンダーテイカーはスッと跪くと、マリアンヌの足をとり、草履を脱がせた。
「足、痛いんだろう?」
「(………あ。)」
足袋まで脱がすと、鼻緒の当たっていた指の間が赤くなり皮がむけていた。
「ずっと立ちっぱなしだったからね。気づかなくてゴメンよ。少し座って休んでこう。」
「(あ……すみません……)」
マリアンヌは慣れない草履の鼻緒に痛みを感じていたが、ついつい言えずに我慢してしまっていた。
「マリアンヌが気にすることないさ……それにしてもこんなに赤くなってしまって、痛いだろ?」
アンダーテイカーはマリアンヌの右足を両手で大事そうに包み、甲に口づけをすると黄緑の瞳をのぞかせながら見上げ、視線を合わせた。
「(アンダーテイカーさん……)」
足に口づけをするなど、なんて事を……
マリアンヌは足を退けようとしたが、再び口づけを落とされてしまえばその唇の感触が心地良く、強引に退けることなどできなかった。
顔を真っ赤にさせながら俯くマリアンヌにいい気になったアンダーテイカーは、今度はその真っ白な足に舌を這わせて優しく愛撫を始めた。
「(キャッ!!だ、駄目です!そんな所………)」
マリアンヌはアンダーテイカーの肩を掴んで押してみるが、そんなのは無駄な抵抗でしかなかった。
「ヒッヒッ、可愛いね〜。店に戻ったらちゃんと診てあげるからね。」
その舌での愛撫は足の甲だけに留まらず、指の間や裏側にまでおよぶと、マリアンヌはその痺れるような快感にビクビクと身体を震わせてしまった。