第6章 死神とスパイス
「確か、インドの繁栄展では、催し物の一環としてカリーの品評会が行われるそうよ。」
「(カリー?!ですか?)」
「なんでもロイヤルワラント獲得のために数社のカリーを競い合わせる趣向の様で、噂ではカリー好きと名高い女王も見学にいらっしゃるとかなんとか…。」
「ほう〜、女王の見学には興味無いが、ロイヤルワラントをかけての品評会なんて面白そうじゃないか。マリアンヌ、行ってみるかい?」
「(あ、あの……)」
別にマリアンヌはアンダーテイカーとでかけられるならどこでも良かったのだが、インドについては英国の植民地という事くらいしか知識はないし、カリーの事もよく分かってなかった。
「そうか、マリアンヌはもしかしたらカリーを食べたこと、なかったかな?」
「あら?そうなの?」
2人の問いかけにコクコクと頷いてみせる。
「そうかい、それならいい機会だ。インドの本場のスパイスを使ったカリーは最高だよ。それにロイヤルワラントを欲しがる強豪達が集うんだ。試食も振る舞われるだろうし、楽しいと思うよ〜」
「クリスタルパレスはここからそう遠くないわ。マリアンヌ、行ってみたらどうかしら?」
「(は、はい!!)」
ニコリと頷いてアンダーテイカーの手を取ると、ニナはマリアンヌの肩に白いファーショールをかけてやった。
「ありがとうニナ。帰りに寄るから試着室のマリアンヌの着替えを適当にまとめておいておくれ。」
「フンッ、分かったわよ。」
「(ニナさん…脱ぎっぱなしですみません!!)」
「いいのよ♡マリアンヌ♡楽しんできてちょうだいね!」
ニナはマリアンヌにだけ投げキッスをして見送ると、試着室の中の服をまとめ始めた。
「!!??」
しかし、ここにあるべきではないもを発見すると再びニナの頭は怒りの炎で大爆発をしてしまった。