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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第6章 死神とスパイス





──私の愛しいマリアンヌへ。この間の服は気に入ってくれたかしら?実は日本から“着物”というとても美しい衣装が手に入ったの。英国風にアレンジもしたいから是非試着をしに“1人”でお店に遊びに来てね♡ニナ・ホプキンス──



「(ニナさん……)」


“1人で”と強調されているあたりがニナらしくて思わず苦笑いをしてしまう。


「ニナも酷いね〜…こんなに小生を邪見にして。」


「(ニナさんは大の男性嫌いなので…仕方ないですよ…それよりアンダーテイカーさん!着物って何ですか?)」


「ニナの言ってる着物はおそらく振り袖のことかな?もうこんなに寒いし、浴衣って事はないと思うけどね。」


アンダーテイカーは本棚を見ると、ちょうど日本の文献があるのを見つけた。その本を取りひらくと、挿絵で、着物がのっているページをマリアンヌに見せてやった。



「(わぁ!!きれい!!英国のドレスとはまったく違いますね!!スカートは膨らんでませんが、腰に巻かれた物がすごく豪華で素敵です!)」



マリアンヌは資料に釘付けになると、早速ニナの店に行きたがった。



「別に行ってもいいけど、行くなら小生も一緒だよ?小生だってマリアンヌが着物を着た姿、見てみたいからね。それでもいいのかい?」



ニナの店にアンダーテイカーが同伴すると、毎回面倒くさい事態になるが、こんな美しい衣装が着られるならマリアンヌだってアンダーテイカーに見てもらいたい。



ニナには悪いがアンダーテイカーも同伴を許してもらうほかなさそうだ。



「(アンダーテイカーさん、きっとニナさんから怒られちゃいますよ?それでもいいんですか?)」



マリアンヌが少しニコリと微笑みながら質問をしてきたが、そんな質問などアンダーテイカーには心外であった。



「そんなの構わないさ、また色々怒られそうだけどね、ヒッヒッ。」




「(それじゃあ早速つれて行って下さい!私早く着物、着てみたいです!)」



マリアンヌは身を乗り出すようにアンダーテイカーの手を握ると、嬉しそうにお願いをした。






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