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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第5章 死神は御満悦




「マリアンヌ、よく頑張ったね。傷もすっかり良くなったし、普通の餌が食べれるようになったならこの子はもう大丈夫だ。」


頭を優しく撫でてやると、愛しいマリアンヌは満面の笑みで胸に飛び込んできた。




「(アンダーテイカーさん。ありがとうございます!!…それと…ごめんなさい……)」



感極まりポロリと涙をこぼすと、マリアンヌはアンダーテイカーの胸に顔を埋めて絞り出すように謝罪をする。



「小生はお礼を言われる様な事はしていないよ。この子を助けたのはマリアンヌさ。それに何故謝るんだい?」


アンダーテイカーは自身の胸に顔を埋めるマリアンヌを覗き込もうと、抱きしめながら少し身を屈めた。



「(私……自分から切り裂きジャック事件の真相が知りたいと言ったのに……その…自暴自棄になってしまって…本当にご迷惑おかけしました……)」



「小生はどんなマリアンヌだって愛してるから気にすることはないさ〜でもマリアンヌがこのまま痩せ細って死んでしまうのだけは嫌だったからね。今回は荒療治をさせてもらったけど、許しておくれよ。」



「(そ、そんな…許すだなんて…私が全ていけないのに……)」



「そんな事、気にしないでいいのに〜」



今だに申しわけなさそうにしているマリアンヌを元気づけようと、アンダーテイカーはニヤリと笑うとあるお願いをしてみせた。




「マリアンヌ、そんなに気に病んでいるのならこうしようか〜」



「(…え!?)」


久しぶりにみたこの表情にマリアンヌは条件反射で身体に力を入れてしまった。



「マリアンヌから小生に“熱い”キスをしておくれ。それでマリアンヌの謝罪は小生が十分に受けたことにすれば、もういいだろ?」



「(…………!!)」



一瞬ギョッとしたが、なんだかこんなやりとりがとてつもなく懐かしい。
そんな風に思えてしまったマリアンヌは、以前の日常が戻りつつあることに心から感謝をした。


いつもならば逃げ回ってしまう様なお願いだが、今は自分を正気に戻してくれたアンダーテイカーの言うとおりにしたい。
マリアンヌは、戸惑いつつもコクリと頷いて見せた。









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