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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第5章 死神は御満悦






アンダーテイカーはマリアンヌが持ってきたお湯に用意していたシリンジとゴムチューブを浸けて温めると、流動食を鳩の素嚢(そのう)に直接流しこんでやった。


「(…………)」


鳥の看病はした事がないと言っていたアンダーテイカーだが、やはり基礎的な技術があるためか、スムーズにゴムのチューブを口に入れて流し込んでいる。


マリアンヌはただ見守ることしかできず、少し歯がゆくなってしまった。


「…マリアンヌ?やってみるかい?」


「(え?!)」


そんな様子に気づいていたアンダーテイカーはニコリと笑みを浮かべると、優しく手招きして見せた。


「大丈夫さ、マリアンヌでもできるから。こっちにおいで。」


それを聞いたマリアンヌは嬉しそうにコクリと頷くと、満面の笑みでアンダーテイカーに駆け寄った。



「きちんと素嚢につながる所にチューブを入れれば大丈夫さ。」



後ろからマリアンヌを包み込むように立つと、鳩の口を開かせて見せてやった。



「ここの手前が器官だ、ピコピコと動いてるだろ?ここに間違えて入れなければ問題ない。」



マリアンヌはアンダーテイカーの指示通りに手を震わせながらやってみると、なんとか自分でも強制給餌をすることができた。


「できたじゃないか。これならマリアンヌにこの子の看病を任せても大丈夫そうだね。」


「(え?私がですか?)」


「もちろんさ、助けたいと言ったのはマリアンヌだろ?小生はほんのちょっと手助けをしただけさ。」


「(私でもできるでしょうか?)」


マリアンヌは少し不安げにアンダーテイカーを見上げた。


「できるさ。でも、そのかわり食事はちゃんとしようね。マリアンヌが倒れたらこの子が悲しむよ?」


「(そ、そうですよね…わかりました。)」


するとマリアンヌは、瞳の奥に光を宿らせたようにしっかりと返事をしてみせた。


ひょんな出来事がきっかけだったが、マリアンヌがベッドから出てきてくれたならまず良しとしようと、アンダーテイカーは使った器具を消毒しながらひとまず安堵することにした。





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