第5章 死神は御満悦
現在の時刻は昼すぎ。
マリアンヌは昼食を食べたあとアンダーテイカーを求めたまま眠ってしまっている。
眠ってからしばらくたつため、夕飯の材料を買いに行く位の外出は大丈夫だろう。
アンダーテイカーはマリアンヌの眠るベッドに近づくと、そっと声をかけた。
「マリアンヌ、小生だよ〜ちょっと起きておくれ。」
少し身体を揺すると、その痩せてしまった身体は目を擦りながらユラリと起き上がった。
「(アンダーテイカーさん…?どうしたんですか?)」
その表情はボンヤリとしていてあまり体調は良くなさそうだ。
やはり少し日の光を浴びたほうがいいだろう。
「マリアンヌ、これから小生と少し買い物に出よう。」
しかし、マリアンヌは首を縦には振らなかった。
「(い、嫌です…誰にも会いたくありません…私、ずっとここにいます。)」
もちろん想定内の返事だったが、だからと言ってこのままにしておくわけにはいかない。
「小生だってそうしてあげたいさ…でも最近のマリアンヌ、あまり体調良くないんじゃないのかい?食事をあまりしなくなったのは勿論だけど、外に出て日の光を浴びなくなったのも原因の1つだ。あとは少し身体も動かさないと、歩けなくなってしまうかもしれないよ?」
「(………………)」
確かにアンダーテイカーの言うとおり、ベッドに引きこもるようになってから体調がすこしづつ悪くなっていることには気づいていた。
外には出たくなかったが、このままずっとベッドに引きこもっていてはアンダーテイカーの言うとおり、本当に歩けなくなってしまうかもしれない。
ここは言うことを聞くしかなさそうだ。
「(……アンダーテイカーさんも一緒…ですか?)」
「あぁ、もちろんさ。」
「(本当ですか?…お店に戻るまで、ずっと側にいて下さいますか?)」
不安なのだろう。目に涙をたくさんためてアンダーテイカーに訴える。
「大丈夫だよ。小生がちゃんと手を繋いでいてあげるよ?」
そこまで言うと、ようやくマリアンヌは渋々と首を縦にコクリと頷いて見せた。