第5章 死神は御満悦
ピシャリと遮光カーテンが閉じたままの寝室で、マリアンヌはアンダーテイカーの手を取ると、華奢な指で礼儀正しくおねだりの挨拶をしてみせた。
「(アンダーテイカーさん…いただきます…)」
モノ欲しそうにうつろげな瞳で見つめられてしまえば、アンダーテイカーの欲望のタガは簡単に外れてしまう。
「ヒッヒッ…お行儀のいいお姫様だね。早速ご褒美をあげようね〜」
ニタリとその唇が弧を描くと、アンダーテイカーはその欲望に滾ったモノをマリアンヌの最奥まで貫いてみせた。
「(あぁん……!はぁ……んん…)」
求めていた刺激に歓喜の声を上げると、マリアンヌはアンダーテイカーにされるがまま何度も絶頂を受け入れた。
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結局今朝も朝食を食べずに途中で気を失ってしまった。
最近は殆どこんな感じだ。
アンダーテイカーはマリアンヌに布団をかけてやると、仕方なくベッドに腰掛けながら1人で遅めの朝食を食べ始める。
今までの様に、甲斐甲斐しく店の事を手伝ってくれたマリアンヌももちろん可愛かったが、人間に絶望をし引きこもり、愛欲に溺れるだけの日々を送っているマリアンヌもアンダーテイカーにとってはとびきり可愛かった。
また店は1人で切り盛りしなくてはならなくなるが、このままこの寝室に閉じ込めるようにしておくのも悪くないなと、すっかり冷めきったスープを飲みながらぼんやりと考えていた。
マリアンヌの寝顔を見ればまだ寝苦しそうな表情をしている。きっと目が覚めればまた自分を求めてくるだろう。
しかし朝食べそびれた分、昼は食べさせなければ…
「マリアンヌ、昼は食事をした後にしようね〜」
アンダーテイカーは愛しいマリアンヌの額にキスをすると、朝食が乗ったトレーを持って、静かに寝室を出ていった。