第1章 狂愛【安室透】
大学が夏休みに入ったは、買い物をし家に帰る道を荷物をぶら下げ歩いていた。ふと、後ろからクラクションが鳴らされ、振り替えれば見覚えのある白のXR-7が近づいてきた。
安「さん、こんにちは。買い物帰りですか?送っていきますよ。」
『いえ!いいですよ!そんな申し訳ないです。』
安「大丈夫ですよ。荷物も多いみたいですし、どうぞ乗っていってください。」
『ん~。じゃあお願いします。』
荷物を後部座席に置き、助手席に座った。
安「何を買われたんですか?」
『服とか鞄ですよ。課題とかレポートでショッピングがなかなかできなかったので、まとめ買いしちゃいました。安室さんはなにしてたんですか?』
安「今日はポアロは休みで、探偵のほうの仕事をしてました。依頼人との打ち合わせでさっき終わって帰ってるときにあなたを見つけたんです。」
「そうだったんですね。探偵って大変そう。」
安「まぁ大変ですけど、案外楽しいですよ。」
『わぁ尊敬します。』
などと他愛もない会話に花を咲かせていた。ふと気づくといつもの見慣れた景色ではなかった。
『あれ?安室さんこっちわたしの家の方向じゃないですよ。どこに向かってますか?』
安「...。」
『?安室さん?聞いてます?』
キーっと車を停車させた。
安「...。」
『安室さん?これってどこ、もがっ!んー!んー!』
急にハンカチで口を押さえられた。ハンカチからは薬品のような匂いがし、瞬く間に眠気に襲われた。
『あむ...ろ...さん。』
は耐えられず、重くなるまぶたをそのまま閉じていった。
安「クスッ。僕の家ですよ。ふふ。」
安室はニヤッと笑みを浮かべ、再び走り出した。