第1章 start
「おれたちは救助信号を拾ってここに来たんだよ。今は別の奴らが島に入ってるぜ。」
「この炎の中どうやって入ったんですか?上から入るにしても凄く暑そうでしたが…。」
「ふふーん、それは私のお陰よ。」
「ナミが雲の道を作ってくれたんだ!」
「雲の道…もしかしてミルキーロードですか?ウェザリアの科学ですね!使いこなせるなんて凄いです!」
「ウェザリアを知ってるって事は…やっぱり、あんた空島の住人なの?」
「あ、それは違うんです。」
それからは初めてハートの海賊団の潜水艦へと落ちてきた時と同じように説明をした。一味は少しばかり驚いた顔を見せるが今までの冒険が余りにも色濃いものだった為か妙にすんなり受け入れられる。
「ちゃんは本物のエンジェルだったのか…通りでこの世のものとは思えねぇ位美しいわけだ…。」
「褒め過ぎですよサンジさん…!」
「それより、全然寝てないんじゃないか?顔色は良くなったけど…ちょっと見せてくれ!」
チョッパーがの座る席の隣へちょんと立ち上がる。彼女が彼に体を向けると硬い蹄が目元へ添えられ下瞼を軽く下へ引かれた。少し赤くなっている。
「充血もしてるな…どの位寝てないんだ?」
「えっと…3日くらい…ですかね?」
「3日!?なんでそんな無茶してるんだ!?」
「海の上をずっと飛んでいたので休める場所が無くて…。」
「ここまで船も使わずに飛んできたんですか!?」
「見た目に寄らずスーパークレイジーな奴だな…。」
「どうしても早く会いたかったんです。」
「ちゃん……も…もしかしてその会いたい奴って、お…男か…?」
ゴクリと生唾を飲み下し些か絶望の色を表情に滲ませるサンジには大きく瞬きを繰り返し頷こうとした瞬間、ナミが手のひらを合わせパチンと小気味いい音が遮った。
「とりあえず、シャワー浴びて来なさい!服は私のを貸してあげるわ。そろそろ島に入った連中も戻って来るだろうし、あいつらが帰ってきたらまた詳しく話聞きましょう。」
「え…私が言うのもなんですが…こんなに良くしてもらっていいのでしょうか…?先になんでもお答えしますよ…?」