第1章 start
「駄目だ、先に睡眠を取ってくれ。これ以上無理したら寝れなくなったり、吐き気や頭痛も出てくるかもしれないぞ!」
「そういう事。チョッパーはうちの船医よ。この船にいる限りはここの医者の言うことに従ってもらうわ。」
「…分かりました。ありがとうございます。」
予想もしていなかった彼らの優しさには胸を打たれ大きく頭を下げた。何故こんなにも良くしてもらえるのか…船長の性格故だろうか。理由は分からなかったがはナミに連れられ暖かなお湯でシャワーを浴び彼女の衣服に着替える。外が暑いせいか渡されたのは肌の露出の多いタンクトップと短パンだったが、借りている立場のため文句も言えず普段着ない服装に若干の羞恥を覚えつつも服を纏った。
「私は外の様子を見てくるわ。ゆっくり休んで頂戴。」
「ありがとうございます、ナミさん。」
「あら、ナミでいいわよ。よろしくね!」
「…はい!」
言葉に甘え、ふかふかのベッドに身を伏せる。こんな暖かな布団で眠れるのはいつぶりだろうか。急に抗えない程の強い眠気が襲う。はその睡魔に身を委ねゆっくりと瞼を下ろした。