第1章 start
「ヨホホホ!これはまた…随分お美しい方ですね……パンツ見せてもらってもよろしいですか?」
「いいわけあるか!」
「ほ、骨!?骨が喋ってる……!」
ナミが思い切りブルックの頭を殴った。は普通に喋る骨…ブルックに驚き一気に後ずさる。せっかく船に降り立ったが、目的の人物は見つからない上に見たことの無い喋る動物に骨、機械人間、ナンパ男に気の強い女性と色濃いクルーにもう逃げ出してしまおうかと思ったその時だった。
ぐぅぅ…と腹が鳴る音が辺りに響き渡る。の腹の音だった。数日間何も食べていなかったせいか身体は限界を迎えていたらしい。思わず羞恥心に顔を真っ赤に染め上げ両手で腹を抑えた。
「あ、ああの…!私この船を襲おうとかそんな事しようとしていたんじゃなくて…し、知り合いが居るかと思って降りたんですけど、居ないみたいなので失礼します…!!」
「待って!あなた顔色悪いわ。それにお腹空いてるんでしょう?」
「ナミの言う通りだ。それに目の下にクマも出来てるな…寝不足か?」
飛び立とうとしたの腕をナミが掴んだ。続いてチョッパーが心配そうに彼女の顔を覗き込む。するとサンジは思い切り歯を見せ笑い恭しく頭を下げ手を差し出す。
「腹を空かせたレディをこのまま放っておくなんざコック失格だ。是非おれの料理を食べてくれませんか?美しいマドモアゼル。」
「良いんですか…?」
「まぁ、悪いヤツには見えないしね。それに知り合いが居るっていうのも気になるわ。食べながらゆっくり教えてくれるかしら?」
「…はい!ありがとうございます!」
パチンとウインクをするナミには頬を綻ばせ大きく頷きサンジの手を取った。それだけでサンジは目をハートにしながら鼻の下を伸ばす。表情の緩み切った彼にエスコートされながら船内へ入るとポーラタンク号と全く違う内装に驚くばかりだった。
「凄く広い…素敵な船ですね。」
「あったりめぇよ!なんたってこのフランキー様が造ったんだからなァ!」
得意気に鼻を鳴らすフランキー。リビングに着くと既にいくつかの料理がテーブルに並べられており、食欲をそそる匂いが立ち込めていた。は見たことの無い食べ物に目を輝かせる。
サンジはのエスコートを終えるとそのままキッチンに入り物凄い速さで調理を始めた。