第4章 Proposal
計画の内容は全て知っていた。麦わら海賊団を信じていない訳では無い。けれど、自分が何より大切にしている人の目的を潰してしまうのは絶対に避けたかった。邪魔はさせられない。子供に何か執着する様子は無かったし、おそらくあの子達はローの計画には関係の無いものなのだろう。
は施設を飛び越え先程までトラファルガーと海兵が交戦していた場所へと向かう。
そこにはまだ海兵達が残っており扉の前で立ち往生している様子だった。トラファルガーの姿は見当たらない。辺りをよく見渡すとバラされた軍艦が岩と接合されていたりと戦いの跡が見られるが、彼が捕まっていないのを見る限り勝者はトラファルガーだったのだろう。は空からそれを見下ろした。
「ローは居ないのね…どこに行ったのかしら…。」
ここに居ても仕方が無い。施設の中に入ったのだろうか…?海軍が居る扉からはおそらく侵入は難しいであろう。それならば先程出てきた裏口から戻るのが妥当だ。
そう判断したが方向転換したその矢先。パンッ!と乾いた音が響く。同時に何かがの腹を貫いた。
「っ…ピストルの弾!?」
貫かれた腹部分を擦る。幸い海楼石が仕込まれている弾では無かった為の身体には傷一つ出来ることは無かったが突然の発砲音と体を通過した弾にの心臓ははち切れそうな程ドキドキと高鳴る。もしも自分が能力者ではなかったら…そう思うだけでゾッとした。
「スモやん!トラファルガーと一緒に居た女も能力者だ!!」
「勝手に発砲すんじゃねェ!!」
振り返ると銃口を向けて来たのはどうやら自分の存在に気が付いた海軍だったらしい。発砲した男はたしぎに思い切り殴られる。声から察するにどうやら男と中身を入れ替えられたらしい。
「おい、良く見たらすげェ美人だぞ…!」
「天使じゃねぇか…空島の女か!?」
「あなた達、海賊相手に鼻の下を伸ばさないの!!」
スモーカーが喋ると、今度は明らかに女の声がした。どうやら入れ替えられたのはたしぎとスモーカーだったようだ。は翼を羽ばたかせ海軍の元へと降り立つ。
「トラファルガー・ローを探しています。彼は何処ですか?」
「教える義理はねェ。あの男の仲間ならお前もしょっぴくぞ。」