第3章 reunion
そう言って掌を上に向け指全体を反時計回りに軽く捻る。ナミ、サンジ、フランキー、チョッパー4人の心臓が大きくドクンと脈打った。1番後ろを走るがちらりと振り返ると目が合った彼は口角を吊り上げ薄く笑っていた。
「…ロー…何かしたわね……。」
「…?なんだ…変な感じだった。」
「とにかく、さァ急いで走れ!クソガキ共!……アレ、タバコ落としたか…。」
「ホチャー!!ワチョ〜〜!おれについて来い〜〜〜!!ゲホゲホッ…!」
「もー!こんな時に何バカやってんのよサンジ君!!」
「今週のおれはスーパー!!裏口くらいすぐ見付ける!!」
「えっ!!?」
「おっ…お兄ちゃん達…。」
子供たちは困惑の声を上げた。何故ならナミがサンジ口調、サンジがチョッパーの口調、フランキーがナミの口調、チョッパーがフランキーの口調…つまりまるで中身が完全に入れ替わってしまったかのような豹変ぶりなのだ。そしてその違和感に中身を入れ替えられた当人達も気付いたようで、顔を青く染める。はその犯人が明確に分かっていた為指を額に添え大きく溜息を零す。
「「「「入れ替わってる〜〜〜!!?」」」」
「すみません…多分ローの仕業です……。」
・・・
暫く研究所内を走っていた達はやがて裏口から外に出た。外は相変わらず雪が降っており、半袖に短パンと薄着の子供達は寒さから手が悴むのを感じていた。もコートを着たものの羽根が邪魔で前を閉めることが出来ず寒さは余り変わらない。子供達は、その上素足の為雪を直に走る事になり凍傷しそうな程の冷たさだ。しかしそんな満身創痍の中でも1人だけ、元気な男がいた。
「死ぬ程の寒さ!?どうでもいい!!侍もガキ共ももうどうでもいいっ!!」
「え〜〜〜!!?」
「とにかくどこかにカメラはねェか!!?戻っちまう前になんとか写真を!!!」
「何を撮る気よ!!それに人の体で鼻血ばっかり吹かないで!」
「そんな事よりナミ!!おれの姿でアロハのボタン止めてんじゃねェ!」
唯一元気な男、それはナミの体に入ったサンジだった。自分の体を男…それもよりによって女好きのサンジに乗っ取られてしまった為迂闊にビキニのままで居られず今はサンジの上着を着ているがそれでもナミは自分の体に危機感を覚える。