第2章 escape
「それは…私も分かってるけど…!子供に泣いて助けてって言われたら!!もう背中向けられないじゃないっ!!!」
「ガキ共が退かねェ!このままじゃ逃げられる!」
「構わねェ!ガキごとやっちまえ!!」
「わー!鉄砲だ〜〜!!」
「危ない…!!」
ナミがそう高らかに宣言するとサンジは生首を床へ降ろし新しい煙草を咥え火を付けた。その奥で、敵が銃を構える姿が見える。いち早く気付いたは大きな翼を羽ばたかせ銃口の先に入る子供たちの手を取り飛び上がった。それと同時にサンジも地を蹴り銃を向ける敵へと一気に距離を詰める。
「"悪魔風脚首肉ストライク"!!」
燃える脚が敵を思い切り蹴り付け、遠くへと吹き飛ばされた。ソレを合図にチョッパーは姿を変え、フランキーも戦闘を始める。は子供を戦いの場とは離れた位置へとゆっくり降ろした。
「大丈夫?」
「ありがとうお姉ちゃん!」
「サンジ君!!」
「ハチャ〜〜!」
「ぶっ!」
「"柔力強化"!!」
「"ストロング右"ォ!!」
「ハゴォ!!」
「「ロケットパンチ〜〜〜!!!!」」
チョッパーが硬い蹄で敵を殴り、フランキーの右手はまるでロケットパンチの如く発射され敵を吹き飛ばした。反撃に出始めた彼らに敵は怯み攻撃の手が止まる。
「逃げるのを辞めたぞ!」
「コイツら!!」
「全く、子供に(だけ)優しいナミさんも素敵だ♡またホレちまうぜ!!」
「こやつら海賊といっても相当な海賊…!!」
「チョッパー!お前先行ってナミさんとちゃんのお供しろ!」
「分かった!ホチャ〜〜!!」
「おいガキ共!『キレーなお姉さん達』と『カンフー狸』について行け!追っ手はおれ達がくい止める!!だが間違えるな!!おれはお前らを救いたいというナミさんの美しい心に応えるだけだ!ナミさんに庇われる上にちゃんに守ってもらってるお前らなんかむしろ大嫌いだ!!」
「ぐるぐるお兄ちゃんありがとう!」
「ウッセークソガキ!!」
「行くわよ、ついてきて!!」
「後ろは私がつきます!」
サンジ達と分かれた達は全く道の分からない廊下をただただ走った。
無機質な壁が何処までも続き何処が外に繋がる道かは分からない。それでも追っ手がいる以上止まることは許されないのだ。