第2章 escape
「!?」
「……!!ねえ!!」
助けを求める声に一味達は目を見開いた。ここは保育園や託児所では無いのか。
「あ!?」
「え……。」
「何だよ!?助けてって…。」
「ここ保育園じゃねェのか!?」
「ねぇ!お姉ちゃん!!私たちを助けて!!お願い!!」
今度は子供の中でも2番目位に大きい女の子がナミに声を掛けてきた。思わずナミの足が止まる。
「ナミさん止まるな!!」
「ぼく達もう病気治ったよ!みんな元気だよ!!」
「病気…!?なんのだ…!?」
「おうち帰りたいよー!!ねえ助けて!!」
「……!!」
「望んで、ここに居るのでは無いのですか…?」
泣きそうな顔して懇願する子供に続いての足も止まった。2人の頭の中に1つの予想が浮かぶ。これは保護施設でも託児所でも無ければ…誘拐?
「あいつら…!!」
「よーしよし子供たち!そこ行くのはコワイ人達だ!こっちへおいで、その人たちに眠ってもらうからね!そこに居たら煙鉄砲撃てないよ〜〜っ!」
「てっぽう〜〜!!」
「きゃ〜〜!!」
逃げ惑う子供たちを気にも止めず黄色いスーツを着た敵は少しずつ近付いてくる。
ナミともそれに気が付き1度考える事を止め走り始めた。
「ゴメン…今…追われてるから…!!」
「……。」
「………。」
「じゃあ、後で助けに来て!!!」
「!!」
「知ってるよ!!この建物から出たことないけど!この島何も無いんでしょ!?町もない、誰もいない!…だから助けも来ない!!お父さんとお母さんに会いたいよ!!お姉ちゃん戻って来てね!後で助けに来てね!!」
涙を流し訴える声に、再びナミの足が止まった。
「何だコレ…おい!連れてってやろう!!」
「バカ!おれ達でさえどこへ行っていいのか分からねェのに!こんな大勢のガキ引き連れて何が出来る!……だが何だ、この悲劇の予感!!」
「どいてね〜〜どいて〜。」
「ナミさん早く!」
走り続けるサンジが振り返り促す。それでもナミは子供の顔を見たまま動かなかった。そして数秒間を空け、サンジ達へ向き直る。
「助けよう!!子供たち!!!」
「何言ってんだナミさん!理由がねェよ!!病気とも言ってたしここは病院かもしれねェ!たった今会ったばっかで何の事情も分からねェ!人助け家業じゃあるめェし!!」