第2章 escape
「やっぱり船から見た『冬の空』…間違いじゃなかった!ルフィ達が入ってった『燃える島』は裏から見れば『氷の島』でつまり私たち島の反対側へ連れてこられたんだ!誰がなんのためにかは、この部屋を出て確認するしかないけど…。」
「だがナミさん、扉堅くて……。」
「出入口も勿論塞がれていましたしね…。」
「退いてろ、コーラは満タンだ!!」
そう言ってフランキーは壁に手を向けた。壁とフランキーの間に立っていたサンジとナミが慌てて左右に退く。
「おいおいちょっと待て!」
「、あんたもこっち来なさい!」
「え!?は…はい!」
ナミに呼ばれ遅れても避けた。フランキーが両手で円を描くとその中心に眩い光が集中し始める。
「"フランキ〜〜〜ィラディカルビ〜〜〜ム"!!!」
掛け声と共に、フランキーの手から言葉の通りビームが発射された。その威力は絶大で、サンジが幾ら蹴ろうがビクともしなかった扉は人が数人通れる程の大穴が空いている。
「ダテじゃねェな、その変な体!!」
「開いたぞ、出よう。」
「おれもビ〜〜〜ム出してェな〜〜〜!!」
は呆気に取られた。確かに自分のクルーもそれぞれが充分強いと思っていたが、それ以上。完全に人としての能力を凌駕している。
「す、凄い…。」
「うちのクルーは皆こんな感じよ、船長を筆頭にね!それじゃあ行きましょう。」
全員が部屋から出る直前、サンジが思い出したかのように振り返った。視線の先には先程組み上げた生首が転がっている。
「お前どうすんだ。おれ達が海賊じゃなきゃ一緒に逃げたかったんじゃねェのか?」
「黙れ!行け、海賊!!」
「1人で首だけで逃げられる見込みはねェだろう?」
「!!何をする!」
「なァ…ワノ国の"侍"!!」
サンジは首を拾い上げ何処か噛み合っていない頭と顎の部分を外した。そしてそれを上下ひっくり返しはめ直す。漸く顔のパーツが上手くハマったらしく綺麗に接合されたようだ。
「えェ!?サムライィ!?そいつが〜〜〜!!?」
「このチョンマゲはワノ国特有の髪型だ。」
「じゃあ…!電伝虫の人斬りコイツなのか!?コエ〜〜〜!!」
「あっちで爆音が!!」
「急げ!!捕らえた海賊たちじゃねェか!?」