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私とアナタのそれから【ONEPIECE】

第2章 escape


それから最後にチョッパーが手を付けやっと人らしい形が完成した。その間では漸く思いついた。このバラバラになった頭は、おそらく自分が探していた男の能力であると。憶測が確信に変わると直ぐにでも此処を出なければ、という気持ちが強まる。麦わら一味は何やら生首と話しているようであったが耳には入って来ない。は1人で、壁に何処か出口になりそうな場所が無いかを探った。

「どこにも無い……きゃっ!!」

不意に何かが横を通り抜け、壁へめり込んだ。驚いたは肩を竦めると慌てたサンジが駆け寄って来る。

「すまねェちゃん!怪我は無いか!?」

「は、はい…びっくりしただけで…。何故突然首が飛んで来たのですか?」

壁へめり込むほど強く叩き付けられたのは先程完成したばかりの生首だった。どうやらサンジがソレに思い切り蹴りを入れたらしい。何故そんな事になったのか全く分からないは小首を傾げた。

「あの生首野郎、ナミさんに色目を使いやがった…!!」

「あ…なるほど…?」

「痛…痛……かゆい!!そうか、異国のオンナは乳バンドで暮らすのか、では好きだ!!さて、お主ら一体何者だ!?船から連れてこられた話は聞いていた。」

「おれ達は海賊だ。」

「!!?海賊…!?」

「多分頭蓋骨折れてるけど痛くねェのかな…。」

生首は壁にめり込んだまま話し続けた。そして海賊と聞いた途端、表情が歪む。その顔は幾度か見て来た海賊に対する嫌悪を抱いている者の表情だ。

「海賊かおぬしら!!通りで野蛮!拙者、吐くほどに海賊が大嫌いでござる!!!時同じくこの"氷の島"に居合わせた"縁"で共に脱出をと考えたが残念!海賊ではな。」

「んん?おいおい"氷の島"って何なんだ。ここは燃える"炎の島"じゃねェか!」

「そうだそうだ!海まで燃えるボーボーの島だ!!」

「…いえ待って、可能性はある。あんたここを氷の島と言うのね。でも…火山の噴火音聞かなかった!?」

「……時折爆音はしたが拙者流氷の海より氷の島に入っただけ。もう拙者に話し掛けるな海賊め!!」

そう言った生首は床へ転げ落ちた。達が見た島は炎が燃え上がり入る隙すら見当たらない炎の島だったが、どうやらここは違うらしい。
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