第2章 escape
遠くからバタバタと足音が聞こえてきた。派手な爆音だった為か異変を察知したらしい。敵の声に気が付いたフランキーは戦闘態勢に入りナミは生首を持つサンジへ声を掛ける。
「サンジ君!チョッパー急いで!追っ手が!」
「おれ達はお前に斬られた奴らからの緊急信号を受けてここに来るハメになったんだ…!"侍"!!」
「サンジ!急ごう!コエー侍置いてってくれよ!」
「拙者、己を恥じるような人斬りはせぬ!!」
「!?」
「この島に!息子を助けに来た!!邪魔する者は何万人でも斬る!!!」
物凄い剣幕で告げた生首には何処か胸が締め付けられた。自分が以前囚われた事を思い出したのだ。その時、トラファルガーやクルーも必死の形相で助けに来てくれた。きっとあの時の彼らとこの男は同じなのだろうと思ったのだ。
会話を交わしてから程無くして追っ手と思われる敵が現れた。黄色い全身スーツを着ており中身は全く分からないが恐らく人間らしき相手は手に銃を持っている。麦わら一味とはすぐ様その場から逃げ出す。サンジも何か思う所があったのか、生首をその場に置き捨てる事はしなかった。
「連れてきたのか!?危ねーよーそいつ!」
「責任は俺が取る!!」
「、あんたもいざって時は戦える!?」
「はい!私も皆さんと同じ海賊ですから!!」
「ちゃん海賊だったのか!?」
「扉だ!!」
サンジが扉を蹴り開けると飛び込んで来た光景に目を見開いた。そこは大きな広場になっていて、サンジ達よりも身体の大きな子供たちが沢山居たのだ。
「わっ!!」
「だれ??」
「は??」
「でけェ……子供!?」
「子供っ!?」
「子供だらけ!なんだここ!!」
「巨人族…でしょうか…?」
戸惑う麦わら一味とだが、彼ら子供たちもまた初めて見る人間に戸惑った。1番大きな男の子と女の子が恐怖に怯えた瞳を向ける。
「誰なの!?」
「知らない人たち…!」
「でも…ロボがいる!」
「"氷った人たち"!?逃げてきたの!?」
「氷った人?」
「ロボだー!」
「クワガタロボ〜〜!きゅうきょくだ!!」
「ローボ!ローボ!!」
男の子達は身体は大きくとも子供というだけあってかフランキーを見て目を輝かせる。大人組はここの部屋の意味が分からずただ困惑が続いた。