第2章 escape
流れるようなボケとツッコミには笑った。しかし何か解決策が見つかった訳では無い。そんな時、今まで聞いたことの無い男の声が部屋に響く。
「おぬし達『判じ物』は好きか?異国語で"パズル"!!」
「え?誰か喋った?」
「いや…おれ達じゃねェ…。」
「たぶんコレだ!」
チョッパーが見つけたのはなんとも形容したがたいものだった。部屋に転がっているのはバラバラの…顔。
「これとはなんだ!!」
「わーーー!!!」
まるで刃物で切られたかのように分解させられた顔の、口部分がひとりでに喋った。どうやら切り分けられたパーツのそれぞれから血は出ておらず断面図も到底顔を切断されたものとは思えない、ただのつるりとした肌だ。その物珍しい姿にサンジとフランキーが集まる。
「なんだこりゃ…。」
「新種の電伝虫か?」
「8匹も居るぞ…気が付かなかった。」
「虫畜生では無い!お主らそう悪党ではないと見受ける!これら全て拙者の"顔"でござる!!すまんがちと組み上げてはくれんか!?」
流暢に話す口元に興味が湧いたのか部屋の壁側で座っていたナミもそれに近付いた。も麦わら一味の後ろからソレを覗き込む。どうも、バラバラにされたこの姿に既視感を覚えた。
「うーん…。」
「顔??…そういやこれは口、これは目で…。」
が首を軽く捻っている間にフランキーは立体パズルのようなソレを組み上げた。しかしそれはどうやらパーツが余る組み方だったらしい。上手く接合しない。
「本当だ顔になった!!」
「だいぶパーツが余っておるでござる!」
今度はナミがパズルに手をつけた。新しく組み上げ直されたそれは耳の位置がやけに高く、相変わらず接合されない。
「こうじゃない?」
「全然違うぞ!!」
次にサンジが手を付けた。…が、最早上手く組み込む事よりも遊び心しか無く出来た産物は到底人間の顔とは思えない代物だった。
「いや、これがいいよ。」
「だはは!!」
「遊んでおらんか!?」