第2章 escape
ドカン!ドスンッ!!
なんだか妙に外が騒がしい。深い眠りについていた筈の意識が強制的に引き上げられる。一体何の音だろうか。はゆっくりと瞼を持ち上げた。
「ん……ここは…?」
目が覚めた場所は自分が休んでいた所とは到底違う場所だった。何も無い無機質な部屋。辺りを見渡すとナミは膝を抱えチョッパーはさめざめと泣いている。フランキーは丁度と同じタイミングで目を覚ましたようだ。そして先程の轟音はどうやらサンジが壁を蹴る音だったらしい。フランキーは身体を起こし眠たげに目を擦りながらサンジへと声を掛けた。
「サンジ、お前何をハシャイでる。」
「ハァ…おう、起きたか。」
「も起きたのね…。」
「あの…これは一体…?」
まだいまいち状況の理解が追いつかないとフランキーは頭にハテナを浮かべる。するとチョッパーが泣きながら両手を上げた。
「おれ達閉じ込められちゃったよー!!!」
「は?おい!ここどこだ!?ん〜〜〜〜?おれァ甲板で深海魚のデザートを食ってて………???思い出せねェ。」
「推測だけど、誰かが船に"催眠ガス"を打ち込んで眠ってる間に私たち攫われちゃったみたいなの。」
「ガスが船に充満してたのは間違いねェ。面目ねェ…もう少し早く気付いてれば…。それにちゃんまで巻き込んじまった。」
「おれ達売られちまうのかなー!!!人攫いかなーっ!!」
「いえ、美味しい食べ物も食べさせて頂いた上に休ませて貰って皆さんには感謝しか有りません!それにしても、催眠ガスですか…。」
「何か覚えが有るの?」
「あ……いえ。何故わざわざ攫ったのかと疑問に思って。」
は顎に手を添え考えた。トラファルガーと別れる前、ある程度の作戦の内容を聞いていたのだ。その中でシーザー・クラウンの名前が出た際、話していたのが彼は悪魔の実の能力者でありガスを操るロギア系の男であったと。ならばこの島にトラファルガーが来ている可能性も極めて高いのでは、と思い付く。
「おい、船にいたメンバーならブルックはどうした?」
「わかんない、ここに居たのは5人だけ。」
「人攫いだからガイコツは関係ねェんじゃねェか!?」
「おめェも人とは言えねェだろ!」
「お前もだよ!!もういいよ!!」
「ふふ、仲良しですね。」