第1章 叶わぬ想いを胸に
さすがにリンネの身体も限界だろうと思ったが、舌で愛撫をすると、再び愛液は溢れ出し、それは太腿から膝に伝うと床にまで滴り落ちた。
膝を持ち上げさらに奥まで舌を侵入させると、リンネはあっけなく達してしまった。
「はぁ…!ああ…!団長…どうしてしまったんですか?」
エルヴィンはズボンと下着を少し下ろし、再び猛々しくなったモノを取り出すと、背後から一気にリンネを貫く。
「キャアア!!」
「滾る心の命ずるままに……だ……。」
……今の状況は自分でも笑ってしまうくらい、この店の合言葉が合っている。
明日からはまた団長としての責務を果たさなくてはならない。それなら今だけは、最後の最後まで欲望に正直でいたい。
……エルヴィンはとっくに分かっていた。
自分ではクレアを幸せにすることはできないと。
手をこまねいているリヴァイの隙をつきクレアにアプローチをすることもできたのだ。
しかし、自分は調査兵団の団長という立場の人間。
残酷で冷酷な判断を下す時もある。もしかしたらクレアを切り捨てる判断をしなくてはならない時も出てくるかもしれない。
理由はそれだけではない。
兵団の資金を調達する為に、自分は貴族の夜会に顔を出し、自身を求めてくる貴婦人の夜のお相手をしなくてはならない。
そんなことをクレアに納得させるような事は到底できない。
やはりクレアはリヴァイと結ばれるべきだ。
今まで自分もクレアが欲しいのではと葛藤した事もあったが、もうその気持ちは吹っ切らなくてはならない。
やっと気持ちの整理がついたエルヴィンはチラリと時計の時刻を確認する。
あと7分程度か……
リンネの腰を掴みさらに激しく打ち付けると、扉で身体を支えているリンネが甘美な声で喘ぐ。
「あぁ!あぁ!ダメです…外に…聞こえちゃいます…」
「聞かせてやりなさい………」
律動に合わせて扉がガタガタとうるさく鳴り響く。
「ダメだ…もう出すぞ……」
「はい!私も……もうイキそうです…どうぞ……団長の御心のままに……」
「あぁ…クレア……」
2人で絶頂を迎えると、エルヴィンは最後の一滴まで絞り出すようにリンネの背中に吐精した。
時刻はぴったし退室時間であった。