第3章 ケイン
ケインside
本来私がマジックを披露させて頂く理由はレジスタンスの皆さんの緊張感を少しでも和らげる為でした。
本日もいつも通りレジスタンスの皆さんの目の前で私のマジックを披露させて頂いています。
ケイン「では、マスターさん。貴方が選んだトランプの記号と数字をよーく覚えておいて下さいね。」
貴方「わかりました〜(♤のQUEENね…)」
ケイン「はい、選んだトランプを元に戻してよくきります…」
向きを揃えて他のトランプと一緒にしてよくきります。きったトランプをテーブルの扇形に広げ種も仕掛けも無いことを披露します。すると…
カール「待て、1枚だけ表が見えているトランプがあるぞ。」
ケンタッキー「切る前は全部同じ向きだったよな!?」
レオポルド「まさかそれが…」
ケイン「はい、御三方の御察しの通りこのトランプこそがマスターさんが選んだトランプなのです。」
そう言って表を向いているトランプを取り出しました。
ケイン「マスターさんが選んだトランプは♡の8です!」
マルガリータ「なーんだ、がっかり〜。ケイン、マスターが選んだのは♤のQUEENだよ!」
ブラウンベス「なんだ、まだ出来なかったのか。」
ユキムラ「んだよ〜、面白くねぇーな〜」
ケイン「………おや?失敗。
いやはや、マジシャンへの道のりは遠そうですねぇ…」
レジスタンスの皆さんをがっかりさせてしまいました…
…ですが、マスターだけは
貴方「アハハハ!また失敗してる〜。ケインの反応もそうだけど失敗するマジシャンって私見たことないからなんか新鮮で面白いね♪♪」
皆さんの反応が少し冷たくてもマスターそんはいつでも温かいものです。
私はそんな心優しいマスターさんに少しずつ惹かれていったのかもしてません。
いつしかレジスタンスの為のマジックがマスターさんへ捧げる愛の形へと変化していきました。