第1章 粘着質系男子の15年ネチネチ(前編)
二年目もがむしゃらだった。
どれ程かと言うと、敵襲で家を焼かれても気付かないほどに。
火事だッ!!とか、キャー!!とか、そんな声が聞こえた気がしたけど、
私は君に送る言葉を考えるのに忙しかった。
よく考えたら周りはとても暑かったし、
これなら死ねそうだなとか思ったけど、
少しは思ったけど、君への言葉を考えていたのだから気付かなくても仕方が無い。
けど、君へ送る言葉を考えていたら、服から下は燃えていき、気付いたら襟しか残ってなかった。
……とりあえず、敵襲した奴全員殺す。お陰でせっかく上手く書けた手紙まで燃えそうになってしまった。
二度と君へ送る手紙が燃えるという危機が訪れないよう、私は久々に働いた。
「じゃぁ、次はこれよろしくね。」
なんて言って任務を差し出す首領の首を掻っ切ってやろうかと思ったのは秘密だ。