第1章 粘着質系男子の15年ネチネチ(前編)
一年目はがむしゃらだった。
それも、首領に言われた任務も放棄して
君に送る言葉を考え続けた。
「うーん、この言葉は……違うな。やっぱりこの言葉かな?」
毎日毎日欠かさず書いていても、君に送りたい言葉が多すぎて、とても悩んだんだよ。
「ふふっ、今日はなんて書こうか…」
だから今日はなんて言葉を送ろうか、って考えて君に私の思いが届くことだけを願っていたよ。
バタンッ
「手前、糞鯖ッ!首領困らせてんじゃねぇ!」
ただ、私がこうして君に手紙を書いていると蛞蝓が邪魔してきて大変だったなぁ、
「さっさと仕事しろ!」
って怒ってる姿は社畜みたいで滑稽だったよ。
君にも見せたかったな。
「って、手前、何してやがる…」
「何って見たら分かるでしょ。切手舐めてんの。」
「舐めすぎだろ!気持ち悪ぃ!」
君に送る切手を舐めてたら何故か引かれた。
まぁ、蛞蝓だから人間の常識が分からなくても仕方ないね。
君に早く届くといいなぁ…
私の唾液(心)