第2章 似ている私たち。
「ねぇ...風磨!!」
急いで彼を追いかける。
「何?」
ピタリと足が止まった。
「なんか...怒ってる?」
「別に怒ってないけど....」
「じゃぁ、どうしたの?」
私の問いかけに、風磨は一度だまり、再び口を開いた。
「咲子さ...なんで俺になんも言ってくれないわけ?俺のこと信じてないの?」
風磨の目は真剣だった。
そう...初めてのデートと同じ。あの鋭い瞳...
「......」
私は答に困って、何も言うことが出来なかった。
そりゃぁ言えないよ....
「風磨...浮気してるんでしょ?」なんて。
「まぁ別にいいけど」
風磨は再び歩き始めた。
「風磨も...どうして何にも言ってくれないの?」
何も信じられなくなるよ...
小さくなる風磨の背中に呟いた。