第2章 土曜日
美咲は思い当たる事があるのか、視線を空中に向けて考え込む。
「うわー。大貴さん相手だとつい気が抜けちゃって・・・。」
「うん。今日は特に敬語じゃなくなってる。」
まるで彼氏に甘えるみたいに、素のままで話してくれてる。
「美咲って甘える時に敬語が抜けるよね。」
「・・・うっさい。」
「ほら、また抜けた。」
「うぅー!」
威嚇する美咲の頭を撫でてあげる。まだふてくされた顔をしていたけれど落ち着いてくれた。
恋人のデートを模した今日、美咲は随分甘えてくれるようになった。
つまり美咲は彼氏に対して、いつもこうやって甘えているんだろうか?
俺に対してはあまり自己主張せず、流されるまま俺の我侭を受け入れていると言うのに。
「もっと甘えていいんだよ?」
ねぇ、今日は「彼氏」でいさせて?